第1回|自分が分からない私は、普通じゃないの?― 人によって自分が変わってしまう理由 ―

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心理カウンセラーの峠素子です




「自分が分からない」と感じてきたあなたへ【全3回】

第1回|自分が分からない私は、普通じゃないの?
 ― 人によって自分が変わってしまう理由 ―


「自分が分からない、何が好きか分からない」そういったお悩みはありませんか?


人によって自分の考えや態度が変わってしまい、「私は普通じゃないのでは」と悩む人は少なくありません。

まわりの人たちを見回すと、みんな自分の人生を楽しそうに生きているように見えます。

好きなことがあって、やりたいことがあって、迷いながらでも「自分」を生きているように見えます。

SNSでキラキラした情報であふれるこんな時代、「それに比べて私は…」と考えていくと、趣味もない、やりたいこともない、強みもない。
いつも人にあわせてばかりで、個性もない。

意味もなく生きているような気がして、「ない、ない、ない…」と頭の中で繰り返してしまうかもしれません。

だから、ふとこんな考えが浮かびます。

「私は、普通じゃないのかもしれない」

先に、結論からお伝えします。

自分が分からないあなたは、普通じゃないわけではありません。

ただ、自分を後回しにする生き方が長かっただけなのです。

それは性格の欠陥でも、未熟さでもありません。

むしろ、そうしなければやってこられなかった事情があった、というだけのことです。

人は本来、「これが好き」「それは嫌だ」という感覚を自然に持っています。

けれど、その感覚は、安心していられるときにしか表に出てきません。

もしこれまでに、こんな経験があったとしたら。
・空気を乱すと、居場所がなくなった
・正直に言うと、否定された
・感情を出すと、面倒なことになった

こうした経験が重なると、人は無意識に学習します。

「自分の気持ちより、場に合うことが大事だ」
「感じる前に、合わせた方が安全だ」

その結果、自分を感じる前に、環境に合わせるという反応が身についていきます。

そして、その生き方が続いた先に、「自分が分からない」という感覚が残るのです。

たとえば、こんなことはありませんか。

・相手に合わせて話すことが当たり前
・意見を求められると固まる
・人といるとドッと疲れ、一人になりたくなる
・なにが"正解"なのか気になる
・非常識がゆるせない

これは、無意識のうちに、
常に外に意識を向け続けてきた人に起こりやすいことです。

相手によって自分の態度が変わってしまうという方もいらっしゃいますが、理由は同じです。

その場その場で、「どう振る舞えば安全か」「どうすれば浮かないか」を判断してきた結果、人格が分裂したように感じるだけなのです。

でもそれは、嘘をついているからでも、芯がないからでもありません。

生き延びるための適応だったのです。

自分が分からない、人によって自分が変わってしまうという悩みは、「自分がない」証拠ではありません。

それは、性格の問題ではなく、環境に適応してきた結果として起こる心理的な反応であり、自分を守ることを、ずっと優先してきた証拠なんです。

だからまず必要なのは、
自分を変えることでも、無理に「本当の自分」を探すことでもありません。

「私はおかしくない」と、少しずつ理解していくことです。

それが、最初の一歩になります。

次回は、「人によって自分が変わってしまう理由」について、もう少し具体的に掘り下げます。

なぜ、「合わせてしまう自分」を止められないのか。

それは、あなたが「自分がない」ということではなかったのです。


もし、ここまで読んで「少し分かるかも」と感じたら、次回も読み進めてみてくださいね。